火花
映画のレビューです。ネタバレを含みますのでご了承ください。
徳永は売れるためにはこういうものをやる、と
自分の本当に面白いと思うことは抑えてネタを作っていた。
一方で神谷は自分が面白いと思うことにまっすぐで
どんなことでも挑戦するし、売れる売れないにこだわらなかった。
その二人が掛け合わさったことで
生まれるものもあったが壊れるものもあった。
途中から師匠と弟子という立位置はありつつも
それは違う、それはおかしいと徳永が気持ちをぶつけるようになる。
私がこの映画を見て特に思ったことは
自分より上の者でもすべてが正しいわけではないということ。
尊敬していてすごい人でも間違った判断をしてしまうことはある。
100%信頼していたとしても、それはどうかなと
思うことがあったらそれはそれで良い。無理に揃える必要はない。
それだけ相手に自分のことを見せられている証拠だ。
人に言われて気づくことはたくさんあるし
正しいと信じてきたことが簡単に崩されることもある。
居心地の良い関係ばかりが
自分を生かしているわけではないと改めて感じた。
スパークスの最後の漫才のネタは
照れ隠しに最適なものだった。ストレートに言うより響く。
めちゃくちゃけなしてるように聴こえるけれど
そのまま言ったら恥ずかしいことをスラスラと言える。頭が良い。
徳永が神谷に対して抱いている思いがひしひしと伝わってきて
一緒に泣いてしまうし、辛くなる。
大事だからこそ強く言わなければならなかった。
そうしないとまた冗談で受け流されてしまう。
徳永にとって神谷はとても大きな影響を与えた重要人物だったが
神谷にとっても徳永は人生においてかけがえのない存在だ。
私は誰かのかけがえのない、大きな存在になれているだろうか。
今自分が大切だと思っている人を、もっと大事にしようと思った。